【コラム】3分野すべて1位。それでも読解力は低い

英語(英検対策)・国語・社会・理科を教えている「しょうた」です。小学生低学年から高校生まで、年代を問わず幅広く担当しています。

わたしのブログでは、日々の授業での経験をもとに、勉強の取り組み方や成功事例、時には生徒と話し合った時事問題などについて綴っています。

9月8日、OECDの国際学力調査「PISA」の2025年の結果が公表されました。日本は科学・読解力・数学のすべてでOECD加盟国中1位。3分野同時の1位は、2000年の調査開始以来はじめてです。

授業でこの話をすると、生徒が「日本すごいじゃん」と笑いました。ただ、公表資料には喜んでばかりもいられない数字が並んでいます。

順位は上がり、点数は下がった

日本の平均得点は科学538点、数学525点、読解力503点です。前回2022年はそれぞれ547点、536点、516点でしたから、3分野とも下がっています。

とくに読解力の13点の低下は、統計的に意味のある差とされました。順位が上がったのは日本が伸びたからではなく、OECD平均がそれ以上に下がったからです。加盟国以外も含む全91か国・地域では、科学5位、読解力4位、数学5位です。

「できる子」と「できない子」で差が広がってしまっている

もうひとつ気になるのは、点数の散らばり方です。基礎的な水準に届かない「レベル1以下」の割合は、読解力が13.8%から18.6%へ、数学が12.0%から16.1%へ、科学が8.0%から11.3%へと、3分野とも増えました。

一方、上位の「レベル5以上」には意味のある変化がありません。読解力では、上位10%の位置にいる生徒の得点が636点から631点とほぼ横ばいなのに対し、下位10%の位置は387点から360点へ落ちています。上と下の差は249点から272点に広がりました。

下がったのは「速く正確に読む」力

読解力で正答率がはっきり下がったのは、「読みの流ちょう性」を測る設問です。

「飛行機は犬でできている」といった短い文を20問ほど次々に見せ、意味が通るかどうかを「はい」「いいえ」で答えるだけの問題です。逆に、書かれていることを「評価し、熟考する」設問の正答率は、日本では上がっています(OECD平均は低下)。考える力が落ちたというより、文を最後まで正確に読み取る土台のほうが揺らいでいる、と読めます。

わたしが授業で感じていることとも重なります。問題を間違える生徒の多くは、考えが足りないのではなく、問題文の後半を目で追えていません。解く前に「何を聞かれている問題?」と言わせるだけで、手が止まらなくなる子がいます。

おわりに

ニュースになるのは順位ばかりですが、皆さんの学習で気にしたいのは、いま読んでいる一文を最後まで読み切れているかどうかです。

日本を離れて暮らしていると、まとまった日本語の文章に触れる時間はどうしても減ります。だからこそ、読む量を増やすより先に、一文を読み切る。算数や理科など国語以外の教科についても手応えが変わります。焦らず、目の前の一文からしっかり読むことを意識することから始めましょう。

優心オンラインでは、海外在住者専門の個別指導塾として、指導経験の豊富な講師陣が、生徒一人ひとりの理解度や興味、学習環境に合わせてきめ細やかなサポートを行なっています。

ただ勉強ができるようになることを目指すのではなく、ひとりひとりのお子さんが楽しんで勉強に取り組み、生きる力を身につけることに重きを置いています。

海外にいながら、日本の学校の学習に合わせて進めることも可能です。

お子さんの学習について何かご不安な点があれば、ぜひ一度当塾にご相談ください。

参考文献