【理科】習っていない問題に、子どもはどう向き合うべきか

英語(英検対策)・国語・社会・理科を教えている「しょうた」です。小学生低学年から高校生まで、年代を問わず幅広く担当しています。

わたしのブログでは、日々の授業での経験をもとに、勉強の取り組み方や成功事例、時には生徒と話し合った時事問題などについて綴っています。

ある国際調査の、小学4年生向けの理科の問題に、こんなものがありました。「さばくにすむ動物を、すべて選んでください」。

日本の小学3・4年生は、身近な動物や植物については学びますが、砂漠の生き物は学習範囲に入っていません。

もう一問、地球が太陽のまわりを回る図を見せて、赤道付近にある町の季節を答えさせる問題もありました。地球の公転を日本で学ぶのは、中学3年生です。

日本の理科は、世界のなかでは高い水準にある

この調査はTIMSS(国際数学・理科教育動向調査)といい、4年に1度行われます。2023年調査の結果公表は2024年12月。

日本は小学4年生の理科が555点で58か国・地域中6位、中学2年生の理科が557点で44か国・地域中3位でした。数字だけ見れば十分すぎる成績です。

ただし理科は、小・中学生とも前回調査より平均得点が有意に低下しました。順位より、この「下がった」という一行のほうが気になります。

解けなかった問題は、「知らなかった」問題だった

砂漠の動物も地球の公転も、日本の子どもに考える力が足りなくて解けなかったわけではありません。まだ習っていなかっただけです。学ぶ順番が国によって違うために生まれる差で、学力の差とは別のものです。

逆に言えば、理科の力は教科書の範囲とは重なりません。教科書の外に出たときに何ができるか。そこがその子の実力です。

つまり、自分で考える能力が大事なのです。

でも「習っていない」を「考えられない」にしない

同じ調査に、2台の汽車の模型に磁石をのせ、片方がどちらに動くかを理由つきで答える問題がありました。

正解は「遠ざかる方向に動く。同じ極どうしは反発するから」。

日本の正答率は67.4%で、参加国中4位でした。磁石の性質は小学3年生で習います。それを見たこともない場面に当てはめられるか、を問う問題です。

わたしは理科のレッスンで、答えを確かめる前に必ず「どうなると思う? 理由も一緒に」と聞くようにしています。

もちろん、外れてもかまいません。

自分の予想を口に出した子は、結果を知ったときの反応がまるで違います。

「え、なんで」という反応をしてくれたらわたしの授業は大成功です。

そこでなぜなのかを考える習慣ができれば、答えを知るために自分で調べることができるようになります。

おわりに

海外で暮らしていると、現地校で学ぶ順番と日本の教科書の順番がずれて、「まだ習っていないこと」に出会う場面が増えます。けれど、習っていないことに出会うのは理科ではむしろ当たり前です。

知っていることを持ち出して考える時間がそれだけ多ければ、決して不利ではありません。お子さんが「わからない」と言ったら、まず「どうなると思う?」と聞いてみてください。そこから先は、理科の学習時間となります。

机の前に座って学ぶだけでなく、日々考えるきっかけを与えることが保護者の皆さまわたしたち教員の役割であると考えています。

優心オンラインでは、海外在住者専門の個別指導塾として、指導経験の豊富な講師陣が、生徒一人ひとりの理解度や興味、学習環境に合わせてきめ細やかなサポートを行なっています。

ただ勉強ができるようになることを目指すのではなく、ひとりひとりのお子さんが楽しんで勉強に取り組み、生きる力を身につけることに重きを置いています。

海外にいながら、日本の学校の学習に合わせて進めることも可能です。

お子さんの学習について何かご不安な点があれば、ぜひ一度当塾にご相談ください。

参考文献

– 文部科学省・国立教育政策研究所「TIMSS2023の結果(概要)のポイント」(令和6年12月4日公表) https://www.nier.go.jp/timss/2023/point.pdf