【コラム】「分かったつもり」を防ぐために大切なこと

「分かった」と言っているのに解けない理由

レッスンの中で、「分かった?」と確認すると「うん、分かった」と答えてくれるのに、いざ一人で問題を解いてもらうと手が止まってしまう。そんな場面に出会うことがあります。

一度は理解したはずなのに、問題の形が少し変わると解けなくなる。この状態は、決して珍しいことではありません。多くの場合、子どもたちは本当に分かったつもりでいるのですが、実際には「説明を聞いて納得しただけ」で、自分の力で再現できる段階には達していないことがあるのです。

「理解」と「再現」は別の力

人の説明を聞いて「なるほど」と思うことと、自分で同じことをもう一度できることは、似ているようで実は別の力です。前者は受け身の理解、後者は自分の中に定着した理解と言えるかもしれません。

特に算数や数学では、この違いがはっきりと表れます。授業中は解き方を見て納得していても、次の問題で自分の手で式を立てようとすると、「あれ、どうやるんだっけ」と迷ってしまうのです。

自分の手で解く時間を必ずつくる

だからこそ、レッスンでは説明したあとに必ず「では、今のやり方で自分で解いてみようか」と声をかけるようにしています。解説を聞くだけで終わらせず、すぐに自分の手を動かしてもらうことで、本当に理解できているかを確認できるからです。

このとき大切なのは、すぐに答えを教えないことです。少し時間がかかっても、自分の力で思い出し、手順を再現する経験が、「分かったつもり」から「本当に分かった」へと変わるきっかけになります。

つまずきは理解を深めるチャンス

一度で完璧にできる必要はありません。途中で迷ったり、間違えたりすることは、むしろ理解を深めるための大切なプロセスです。どこで止まったのかを一緒に確認することで、その子が本当に理解できていないポイントがはっきりします。

「分かったつもり」を防ぐためには、説明の回数を増やすことよりも、自分で再現する機会を増やすことが何より効果的だと感じています。

これからも、子どもたちが「分かった」で終わるのではなく、「自分でできた」と言えるところまで寄り添いながら、学習を進めていきたいと思います。

(沢村)