【コラム】「できるのに遅い」は本当に悪いこと?

「できるけど時間がかかる」子どもたち

レッスンをしていると、問題はしっかり解けているのに、答えを出すまでに時間がかかる子に出会うことがあります。
計算の途中で立ち止まったり、問題文を何度も読み直したり。見ていると「もう少し早く解けそうなのに」と感じることもあるかもしれません。

実際、保護者の方からも「理解はしていると思うのですが、スピードが遅いんです」というご相談をいただくことがあります。

でも、この「時間がかかる」という状態は、必ずしも悪いことではないと感じています。

ゆっくり考えるという力

時間がかかる子の多くは、ただ手が止まっているわけではなく、頭の中で一生懸命考えています。
「これで合っているかな」「この式でいいのかな」と、確認しながら進めているのです。

一見すると遅く見えるかもしれませんが、実はこの過程はとても大切です。
考えるプロセスを丁寧に積み重ねることで、理解がより深くなっていきます。

逆に、早く答えが出せても、理由が分からないまま解いている場合は、少し問題が変わると対応できなくなることもあります。

海外で学ぶ子どもたちの場合

海外で生活している子どもたちの場合、もう一つ理由があることも多いです。
それは、日本語で問題を理解する時間です。

学校では英語などの現地語を使い、日本語の勉強は別の時間に行う。
そのような環境の中では、算数や国語の問題文を日本語で読み取り、状況を整理するだけでもエネルギーが必要になります。

つまり、計算が遅いのではなく、
日本語で内容を整理する時間がかかっている場合も少なくありません。

大切なのは「早さ」より「理解」

もちろん、学年が上がるにつれてスピードも少しずつ必要になってきます。
ただ、それは理解が積み重なった後に自然とついてくるものです。

最初から速さだけを求めてしまうと、「早く答えを出すこと」が目的になり、考える過程が置き去りになってしまうこともあります。

大切なのは、
自分の力で理解して答えにたどり着くこと。

その経験を積み重ねていく中で、解くスピードも少しずつ上がっていきます。

「時間はかかるけれど、しっかり考えている」
そんな姿を見ると、むしろこれから伸びていく力を感じることが多いものです。

焦らず、その子のペースで考える時間を大切にしながら、学びを積み重ねていけたらいいなと感じています。

(沢村)