問題を早く解くことよりも大事なこと
英語(英検対策)・国語・社会・理科を教えている左雲(さくも)です。小学生低学年から高校生まで、年代を問わず幅広く担当しています。
わたしのブログでは、日々の授業での経験をもとに、勉強の取り組み方や成功事例、時には生徒と話し合った時事問題などについて綴っています。
「早くできる」ことを求められる学習環境と社会
「テストの時間が足りなかった」「もっとテキパキ解きなさい」
学校や塾などの学習の現場では、どうしても「速さ」が正義とされがちです。それは、計算スピードや読解の速さは目に見える指標であり、効率性の象徴でもあるからです。これは現代社会でも求められている「能力」ですよね。
しかし、オンライン塾で多くのお子様と向き合う中で、早く解くことに重きをおきすぎると、学びの最も重要な部分である思考を深める機会を逃してしまうということに気づきました。
今回は、わたしが多くの生徒の皆さんとレッスンをしてきた経験をもとに、スピードよりも大事にすべきことについてお話しします。
「作業」と「思考」を混同しない
成績が伸び悩むケースでよく見られるのが、勉強が「作業」になってしまっている状態です。公式に数字を当てはめる、答えを書き写す、といった行動はスピードが出やすい反面、脳はあまり動いていません。
学習科学の知見では、「望ましい困難(Desirable Difficulty)」という概念があります。あえて時間がかかるような、少し負荷のかかる考え方をした方が、知識は長期的に定着するという考えです。
すぐに答えを出そうとせず「なぜこの解き方になるのか」を自分の言葉で説明してみる。正解した問題でも「別の解き方はないか」と立ち止まってみる。
こうした「一見効率の悪い寄り道」こそが、単なる知識を「使いこなせる知恵」へと変えてくれるのです。
「分からない」と立ち止まる勇気
速さを求めすぎると、子どもたちは間違えることや手が止まることを極端に恐れるようになります。その結果、分からない箇所をあやふやにしたまま進めてしまい、後に大きな壁に突き当たることになります。
本当に大切なのは、「分からない自分」を素直に受け入れ、じっくりと咀嚼(そしゃく)する時間です。
オンライン授業の画面越しでも、お子様が沈黙して考え込んでいる瞬間があります。その「間」こそが、脳がフル回転して新しい回路を作っている、最も価値のある時間です。周囲の大人がその沈黙を待ち、試行錯誤を肯定することで、子どもは安心して深い思考の海へ潜っていくことができるようになります。
「メタ認知能力」を育てる振り返り
問題を解いた後の行動も、速さより質が問われる部分です。単に「○か×か」を確認するのではなく、「自分の思考プロセスはどうだったか」を客観的に見ること、すなわち、メタ認知能力を鍛える習慣が、成長のスピードを劇的に変えます。
「この問題、どこで迷った?」「どうしてこの答えに辿り着いたの?」
こうした対話を通じて、自分の頭の中を言語化する練習を積み重ねていきます。
時間はかかりますが、この土台があれば、結果として将来的に複雑な問題を解くスピードも自然と上がっていくのです。
まとめ
言葉や文化の異なる環境で日々奮闘している皆様にとって、学習の遅れや進み具合は人一倍気になることかもしれません。しかし、異なる言語環境に身を置き、複数の視点を持ちながら学ぶ皆様の脳内では、常に複雑で高度な情報処理が行われています。
それは、教科書のドリルを速く解くこと以上に価値のある、多様な解法を見出す力を育んでいる過程でもあります。焦ってスピードを追い求める必要はありません。
今、目の前にある問いに対して、じっくりと腰を据えて向き合うことが、少し先の学習を効率的に、かつ、深く学ぶことにつながります。
わたしたち講師は、その一歩一歩を急かさず、共に歩んでいきたいと思っています。
優心オンラインでは、海外在住者専門の個別指導塾として、海外在住経験の豊富な講師陣が、生徒一人ひとりの理解度や興味、学習環境に合わせてきめ細やかなサポートを行なっています。
ただ勉強ができるようになることを目指すのではなく、ひとりひとりのお子さんが楽しんで勉強に取り組み、生きる力を身につけることに重きを置いています。
海外にいながら、日本の学校の学習に合わせて進めることも可能です。
お子さんの学習について何かご不安な点があれば、ぜひ一度当塾にご相談ください。