褒めて伸ばそう!子どもへの声かけのコツ

授業中に口癖にように「がんばったね!」「よくできたじゃん!」と声をかけることがあります。
でも、ある日ふと思いました。

「この子にとって、本当に響いてるかな?」

もちろん、がんばったことを認めるのは大切なこと。
でも、“がんばった”って、ちょっと漠然としているかもしれません。

勘のいい子は「あ、また先生が言ってる。」と捉えているかもしれません。

子どもたちは一人ひとり、ちがう背景・ちがう努力をしています。
だからこそ、「がんばったね」よりも、もっと具体的に伝えることが、心に残る褒め方になると感じています。

「できたこと」より「どう取り組んだか」

たとえば、こんな場面。

難しい文章題を前に、解き方がわからず戸惑っていた子が、ヒントをもらいながらも、最後まで投げ出さずに取り組んだとき。

そんなとき、私はこう声をかけます。

「最後まであきらめなかったね。」
「自分で考えようとした姿がよかったよ。次できればOK!」

答えが合っているかどうか以上に、 過程や姿勢を言葉にして伝えることで、子どもは「ちゃんと見てもらえてる」と感じます。

言葉を具体的にするだけで、子どもは変わる

  • 「一文ずつていねいに読めたね」
  • 「前より漢字がすらすら書けるようになってきたね」
  • 「今日は難しいところもあったけど、手を止めずに考えていたね」

こんなふうに言い換えるだけで、 子どもは“自分のどこがよかったのか”を自覚できます。

これが積み重なると、「自分はこういうところができる」「こういう努力ができる」という自己認識と自己肯定感につながっていきます。

「すごいね」より「見てたよ」

家庭でもすぐに使える声かけとして、おすすめなのが、

「〇〇してたの、見てたよ」
「前よりも△△になったね」

というスタイル。

【評価】ではなく【観察】をベースにした言葉かけは、
子どもにプレッシャーを与えることなく、
「自分らしさ」を認めてもらえたという安心感を与えてくれます。

褒めることは、心を育てること

子どもが成長していくうえで、自分自身を信じられる力=自己肯定感はとても大切です。
そしてそれは、日々の小さな言葉の積み重ねで育っていきます。

「がんばったね」だけじゃなく、
“どこが”がんばったのか“どう”乗り越えたのかに目を向ける。
そうすることで、子どもたちは「がんばってよかった!」と思えるようになるのです。

小さな一歩でも、「ちゃんと見てるよ」と伝えていきたい。
そんな気持ちで、今日も画面越しの子どもたちと向き合っています。

(沢村)