算数は「目で見える化」で整理して考えてみよう

英語(英検対策)・国語・社会・理科を教えている左雲(さくも)です。小学生低学年から高校生まで、年代を問わず幅広く担当しています。

わたしのブログでは、日々の授業での経験をもとに、勉強の取り組み方や成功事例、時には生徒と話し合った時事問題などについて綴っています。

「式は立てられるけれど、答えが合わない」「文章題になると、何を求めればいいのか分からなくなる」。

算数や数学の学習において、多くのお子さんがぶつかるのがこのような、思考の停滞です。計算練習は完璧なのに、応用問題になると途端に手が止まってしまう。

実はその原因の多くは、算数の能力不足ではなく、頭の中だけで情報を処理しようとして「脳のメモリー」がいっぱいになってしまっていることにあります。

オンライン塾での指導経験を通じて私が確信しているのは、算数が得意な子ほど、実は「頭の中だけで考えていない」ということです。

彼らはノートや画面上のホワイトボードに、驚くほどさらさらと図や絵を描き込みます。

今回は、なぜ「描くこと」が算数の成績に直結するのか、その理由と今日から実践できるコツをお伝えします。

脳の負担を減らす「外部メモリー」の活用

人間の脳が一度に処理できる情報の量には限界があります。

複雑な文章題を読み解く際、登場人物の動き、時間の経過、数量の変化といった全ての情報を頭の中だけで保持し続けるのは、最新のゲームを古いパソコンで動かそうとするようなものです。

ここで「図を描く」という行為が、パソコンで言うところの外付けハードディスクのような役割を果たします。

情報を紙の上に書き出すことで、脳は「覚えていること」に使うエネルギーを「考えること」に振り向けることができるようになります。

状況を視覚化することで、言葉だけでは見えなかった数量の関係性が、パズルのピースがはまるように見えてくるのです。

抽象的な概念を「手触りのあるもの」に変える

算数や数学は、学年が上がるにつれて「速さ」「割合」「関数」といった抽象的な概念が増えていきます。

これらを数字と記号の羅列として捉えると、理解のハードルは一気に上がります。しかし、これらを線分図や面積図、あるいは簡単なイラストに置き換えると、抽象的な概念が目に見える形へと変わります。

例えば、速さの問題で「追い越す」状況をアニメーションのようなコマ送りの図にしてみる。あるいは、食塩水の濃度を面積の広さで表してみる。このように「描く」プロセスは、自分の理解がどこまで及んでいるかを確認するセルフチェックの役割も果たします。

「図が描けない」ということは「問題の構造が理解できていない」というサインであり、どこに戻って学習すべきかを教えてくれる羅針盤になるのです。

「伝わる図」が論理的な思考を育てる

オンラインでの授業では、講師とお子さんが画面を共有しながら進めます。お子さんが描いた図を私が画面越しに見ることで、「あ、ここで迷っているな」という思考の癖がリアルタイムで把握できます。

また、お子さん自身も「先生に自分の考えを説明するために図を描く」という経験を積むことで、主観的な思い込みから脱却し、客観的で論理的な説明力を養うことができます。

図は決して、美術の時間のような「綺麗な絵」である必要はありません。丸や四角、線だけで十分です。大切なのは、自分の思考を外に放り出し、それを眺めながら次の一手を考える習慣をつけることなのです。

算数は、正解を出すことだけが目的ではありません。限られた情報の中から本質を抜き出し、自分なりに整理して解決策を導き出す力こそが、将来の「生きる力」に直結します。

優心オンラインでは、海外在住者専門の個別指導塾として、海外在住経験の豊富な講師陣が、生徒一人ひとりの理解度や興味、学習環境に合わせてきめ細やかなサポートを行なっています。

ただ勉強ができるようになることを目指すのではなく、ひとりひとりのお子さんが楽しんで勉強に取り組み、生きる力を身につけることに重きを置いています。

海外にいながら、日本の学校の学習に合わせて進めることも可能です。

お子さんの学習について何かご不安な点があれば、ぜひ一度当塾にご相談ください。