社会科が人気な理由を考えてみた
英語(英検対策)・国語・社会・理科を教えている左雲(さくも)です。小学生低学年から高校生まで、年代を問わず幅広く担当しています。 わたしのブログでは、日々の授業での経験をもとに、勉強の取り組み方や成功事例、時には生徒と話し合った時事問題などについて綴っています。
中学生に「一番好きな教科」をたずねた調査があります。学研教育総合研究所が2025年11月に行った調査では、1位が数学(20.2%)、2位が英語(15.8%)、3位が社会(14.0%)でした。
面白いのはその先です。同じ調査の「一番嫌いな教科」を見ると、社会は8.5%。
好きと答えた人が、嫌いと答えた人を5ポイント以上も上回っています。
数学は好き20.2%に対して嫌いが25.3%、国語も嫌いのほうが多く、主要5教科でこれほどはっきり「好き」が上回ったのは社会だけでした。
しかも学年別に見ると、中学3年生では社会が「一番好きな教科」の1位に立っています。
暗記科目と言われがちな社会が、なぜ学年が上がるほど好かれるのでしょうか。
覚えたことが、ある日つながる
先日、公民の授業をしていたときのことです。
生徒に「なぜ18歳から投票できるの?」と聞くと、その子は「決まりだから」と答えました。そこで、2年生で習った普通選挙法を思い出してもらいます。かつて投票できたのは一定の税金を納めた男性だけで、それが25歳以上の男性全員に広がり、戦後に女性にも広がり、今は18歳になった、と。
その子は「じゃあ昔は、ほとんどの人が意見を言えなかったんだ」とつぶやきました。歴史で覚えた年号と、公民で習う制度が、一本の線でつながった瞬間です。
3年生で社会が好かれるのは、おそらくこれが理由です。地理・歴史・公民とバラバラに積み上げてきた知識が、最後の学年になって互いに結び合う。覚えることは増えているのに、頭のなかはむしろ整理されていきます。
「なぜここに?」と一度立ち止まる
この感覚は、待っていれば訪れるわけではありません。きっかけは、たいてい小さな問いです。
地理で工業地帯を学ぶとき、地名から覚えようとすると苦しくなります。そうではなく「なぜ工場は海沿いに多いんだろう」と一度立ち止まる。
原料を船で運び、製品を船で出すからだと分かれば、太平洋ベルトの位置は覚える対象ではなく当たり前の結論になります。理由を先に押さえると、覚える量はむしろ減るのです。
ご家庭でも、ニュースで知らない国名が出てきたら、地図でその場所を一緒に確かめてみてください。1分で終わります。それだけで、次にその名前を聞いたとき、子どもの頭には位置と気候と隣国が並んで浮かぶようになります。
おわりに
社会は、「暗記すべき項目の一覧」から「理由のある一つのまとまり」へと世界に対する認識を組み替えてくれる教科です。
海外で暮らしているお子さんは、その組み替えの材料に囲まれていると言えるでしょう。
目の前の街並み、季節、買い物の値段。教科書のなかの言葉と窓の外の風景がつながったとき、社会は一気に自分ごとになります。日本の教科書から遠いところにいるようでいて、実はいちばん近いところにいるのかもしれません。
優心オンラインでは、海外在住者専門の個別指導塾として、指導経験の豊富な講師陣が、生徒一人ひとりの理解度や興味、学習環境に合わせてきめ細やかなサポートを行なっています。
ただ勉強ができるようになることを目指すのではなく、ひとりひとりのお子さんが楽しんで勉強に取り組み、生きる力を身につけることに重きを置いています。
海外にいながら、日本の学校の学習に合わせて進めることも可能です。 お子さんの学習について何かご不安な点があれば、ぜひ一度当塾にご相談ください。
参考文献
学研教育総合研究所「幼児・小学生・中学生・高校生白書 学習・学校生活に関する調査」(調査期間 2025年11月14日〜19日、中学生調査は保護者600サンプル/2026年3月12日発表) https://www.atpress.ne.jp/news/579593
学研教育総合研究所 白書シリーズ https://www.gakken.jp/kyouikusouken/whitepaper/index.html