成績上位層と下位層、家庭学習時間の差は20〜30分だけ
英語(英検対策)・国語・社会・理科を教えている左雲(さくも)です。小学生低学年から高校生まで、年代を問わず幅広く担当しています。 わたしのブログでは、日々の授業での経験をもとに、勉強の取り組み方や成功事例、時には生徒と話し合った時事問題などについて綴っています。
夏休みも折り返しですね!
「うちの子は机に向かう時間が足りない」と感じている方は多いと思います。
今日はこんな調査を紹介したいと思います。
ベネッセ教育総合研究所が小学4年生〜中学2年生を対象に行った「小中学生の学びに関する実態調査」(2014年)によると、中学2年生の平日の家庭学習時間は平均1時間25分。成績上位層と下位層の差は「20〜30分程度」にすぎず、報告書自身が「思ったほどの差はない」と書いています。
差は、時間以外のところにありました。わたしは先生として勉強してねと勧める側なのですが、「たくさん勉強する」ことが学習成果に影響しないことを知り、びっくりしました。
分かれ目は「確かめながらやっているか」
同じ調査は、勉強時間が平均より短いのに成績上位の子と、平均より長いのに成績下位の子を取り出し、やり方を比べています。たずねた10の勉強方法すべてで、前者のほうが「確かめながらやっている」と答えた割合が高いという結果でした。
なかでも差が大きかったのが「何が分かっていないか確かめながら勉強する」と「丸つけをした後に解き方や考え方を確かめる」の二つで、20ポイントほど開いていました。
つまり、時間の長さではなく、「今どこまで分かっていて、どこから分かっていないか」を確かめる一手間が、結果を分けていたのです。
「丸つけをして終わり」から抜け出そう
授業でよく出会う光景があります。宿題の丸つけはしてあり、正解も赤で書き写してある。けれど「なんで間違えたの?」と聞くと、答えが返ってこない。
そういうとき私は、正解を確認する前に「問題を解く時、どうやって考えていましたか?」と必ず聞きます。
すると、子どもたちは案外すぐに自分のミスに気づくもので、理科なら「最初の一行を読み飛ばしていた」、国語なら「傍線部の”それ”を確かめずに答えていた」と出てきます。
原因が言葉になれば、次から同じ場所に気をつけられる。一方で、言葉にしないまま正解だけ書き写した問題は、翌週ほぼ同じ形で間違えます。
「わからない」を小さく言えるようにする
同じ調査では、「上手な勉強のやり方が分からない」と答えた中学生は54.7%にのぼります。
私がまず取り組むのは、「わからない」を小さく言えるようにすることです。
「小さく言う」という表現が正しいのかわからないのですが、わからなければその都度「わからない」と言えることが大事ということです。
「数学がわからない」では手が打てませんが、「この式から次の式に移るところ」まで絞れれば、そこだけ埋めれば済みます。
家庭でできることもあります。保護者のみなさんが教える必要はありません。
「今日やった中で、いちばん自信がないのはどこ?」と聞くだけで、子どもは自分の理解を点検しはじめます。
おわりに
海外で暮らしていると、日本の同級生と同じだけの勉強時間を確保しにくい時期もあります。現地校の宿題、言語の切り替え、季節のずれ。時間で勝負すると苦しくなります。
けれど調査が示すのは、大事なのは時間ではないということです。
「今どこが分かっていないか」を自分の言葉にできる子は、限られた時間でも着実に前へ進みます。それは、どこの国にいても身につく力です。
優心オンラインでは、海外在住者専門の個別指導塾として、指導経験の豊富な講師陣が、生徒一人ひとりの理解度や興味、学習環境に合わせてきめ細やかなサポートを行なっています。
ただ勉強ができるようになることを目指すのではなく、ひとりひとりのお子さんが楽しんで勉強に取り組み、生きる力を身につけることに重きを置いています。
海外にいながら、日本の学校の学習に合わせて進めることも可能です。 お子さんの学習について何かご不安な点があれば、ぜひ一度当塾にご相談ください。
参考文献
- ベネッセ教育総合研究所「小中学生の学びに関する実態調査」速報版(2014年10月発行、調査時期2014年2〜3月、小学4年生〜中学2年生とその保護者が対象) https://benesse.jp/berd/up_images/research/Survey-on-learning_ALL.pdf (P.10「平日の家での勉強時間」、P.13「勉強方法(成績×平均勉強時間 中学生)」、P.18「学習上の悩み」を参照)