感情をのせる音読が国語力を伸ばす
英語(英検対策)・国語・社会・理科を教えている左雲(さくも)です。小学生低学年から高校生まで、年代を問わず幅広く担当しています。
わたしのブログでは、日々の授業での経験をもとに、勉強の取り組み方や成功事例、時には生徒と話し合った時事問題などについて綴っています。
子どもの学習において、誰もが一度は宿題などで経験する「音読」。一見すると、文字を声に出して読むだけのシンプルな作業に思えるかもしれません。
わたしの授業では、音読を重視して、宿題でも授業でも繰り返し音読をしてもらっています。
単に文字を目で追う黙読とは異なり、音読は「目で文字を追い、声に出し、その声を自分の耳で聴く」という、五感をフルに活用する高度なインプット・アウトプットを訓練するためにはもってこいの方法です。
特に、日常的に触れる語彙や文化的な背景が異なる環境にいる子どもたちにとって、音読が持つ役割は大きいです。
今回は、正しい音読がどのように国語力の基盤を築くのかという方法や音読のメリットについて、授業での経験を通じて書いていこうと思います。
語彙を習得できる
音読の最大のメリットの一つは、文章の構造を身体感覚として捉えられる点にあります。
文部科学省の国立教育政策研究所などの調査でも、読書習慣や言語活動の活発な子どもほど、教科全体の学力が高い傾向が示されています。
音読は、その言語活動の最も原初的かつ強力なアプローチと言えると思います。
文字をただ記号として滑らせるのではなく、登場人物の心情や場面の情景を想像し、感情をのせて声を出す。このプロセスを経ることで、子どもたちは単語の意味を辞書的な定義としてではなく、文脈を伴った「生きた言葉」として吸収します。
オンライン塾の国語の授業において、私は多くの子どもたちが音読を通じて劇的な変化を遂げる姿を目の当たりにしてきました。
最初はつっかえながら、どこか他人事のように読んでいた説明文や物語文も、適切な句読点を意識し、登場人物になりきって声を出す練習を重ねるうちに、自然と文章の主旨を正確に捉えられるようになるのです。
「声に出して読むことで、頭の中に絵が浮かぶようになった」
ある生徒が語ってくれたこの言葉こそ、音読によって文字として記載された暗号のようなものから、意味の理解に達した証と思います。
思考力と共感性をも伸ばす音読
音読の効果は、国語という一教科の枠に留まりません。文章を正しく読み解く力は、算数・数学の文章題を解く際や、理科・社会の資料を分析する際の強固な土台となります。
オンラインの画面越しであっても、子どもが発する声のトーンやテンポを聴けば、その子がどれだけ文章の本質を理解しているかが手に取るように伝わります。
例えば、登場人物の悲しみの場面で自然と声が小さくなったり、緊迫した展開で読むスピードが上がったりする時、子どもの脳内では高度な「共感」と「思考」が同時に行われています。
このように感情を伴った音読を継続した生徒は、記述問題において「他者の視点」に立った論理的な文章を書く能力が圧倒的に優れているという特徴があります。
自分の声を自分の耳で聴くリレーショナリティが、客観的な思考力を育むのです。
まとめ
日本の絵本や教科書を開き、日本語の美しい響きを声に出して味わうこと。それは、海外という日本とは異なる文化や言語環境の中で日々を過ごし、オンラインで懸命に日本の学習に取り組んでいる皆さんにとって、特に大きな意味を持ちます。
日常的に日本語に触れる機会が限られる環境だからこそ、教科書の一文一文を丁寧に音読する時間は、日本で暮らす子どもたちの何倍もの価値を持って皆さんの国語力を引き上げます。
画面の向こうから聞こえてくる皆さんの生き生きとした音読の声は、驚くほど力強く、皆さんの確かな成長を物語っています。
ぜひ、国語力を伸ばすために音読を意識的に続けてみてください。
優心オンラインでは、海外在住者専門の個別指導塾として、海外在住経験の豊富な講師陣が、生徒一人ひとりの理解度や興味、学習環境に合わせてきめ細やかなサポートを行なっています。
ただ勉強ができるようになることを目指すのではなく、ひとりひとりのお子さんが楽しんで勉強に取り組み、生きる力を身につけることに重きを置いています。
海外にいながら、日本の学校の学習に合わせて進めることも可能です。
お子さんの学習について何かご不安な点があれば、ぜひ一度当塾にご相談ください。