帰国中の国語学習で大切なのは「勉強」だけではありません
夏休みが近づくと、生徒たちから
「もうすぐ日本に帰ります!」
「夏休みは旅行に行く予定です」
という話を聞く機会が増えてきます。
海外で生活しているご家庭にとって、一時帰国はとても特別な時間ですよね。
久しぶりに祖父母に会ったり、日本の友達と遊んだり、日本ならではの食べ物を楽しんだり。
そして保護者の方の中には、
「せっかく日本に帰るから、日本語の勉強も頑張ってほしいな」
と思われる方も多いのではないでしょうか。
もちろん、時間がある夏休みは学習を進める良い機会です。
ただ、私は一時帰国の国語学習で大切なのは、必ずしも問題集やドリルだけではないと思っています。
日本には“日本語”があふれている
日本で生活していると当たり前になってしまいますが、
日本にはたくさんの日本語があります。
駅の案内板。
電車のアナウンス。
テレビ番組。
お店のポスター。
レストランのメニュー。
海外で暮らしている子どもたちにとっては、こうしたものすべてが貴重な日本語との出会いです。
普段は英語や現地の言葉で生活している子どもたちも、日本に帰ると自然と日本語に囲まれます。
机に向かって勉強していなくても、日本語を読む機会や聞く機会が一気に増えるんですよね。
会話の中にこそ学びがある
特に大切なのが、人との会話です。
祖父母とのおしゃべり。
親戚との食事。
久しぶりに会う友達との会話。
こうした時間には、教科書には載っていない日本語がたくさん詰まっています。
レッスンの中でも、
「おじいちゃんがこんなこと言ってた」
「お店の人に話しかけられた」
という話を聞くことがあります。
何気ない出来事ですが、
実はこうした経験が語彙を増やしたり、表現の幅を広げたりすることにつながっています。
思い出は国語力の土台になる
国語というと、漢字や読解問題を思い浮かべる方も多いかもしれません。
もちろんそれらも大切です。
でも、作文や読解の力を支えるのは、「経験」です。
旅行先で見た景色。
初めて食べたもの。
友達と遊んだ出来事。
こうした体験があるからこそ、
「楽しかった」
「驚いた」
「なぜだろうと思った」
という気持ちを言葉にできるようになります。
実際、作文が苦手な子でも、旅行や一時帰国の話になると驚くほどたくさん話してくれることがあります。
夏休みならではの学びを
せっかくの一時帰国です。
勉強時間を確保することももちろん大切ですが、
日本の街を歩くこと。
家族とたくさん話すこと。
いろいろな場所へ出かけること。
そんな時間もまた、大切な学習のひとつだと思っています。
問題集の1ページには残らなくても、
その夏の経験は、きっと子どもたちの中に残っていきます。
そしてその積み重ねが、これからの国語力を支える大きな土台になっていくのではないでしょうか。
(沢村)