家庭学習を楽しく・継続しやすくする工夫の紹介

海外で暮らす子どもたちにとって、日本語の勉強は「日常の外」にある学びになりがちです。学校の授業や友達との会話が英語や現地語中心になる中で、家庭での日本語学習や国語・数学の勉強は、どうしても後回しになりやすいものです。だからこそ、家庭学習は「楽しく・継続できる」形にすることが何より大切です。

たとえば、朝食の前に5分だけ音読する、夕食後に10分の復習タイムをつくるなど、学習を特別なものではなく“日常の習慣”として位置づけると、子どもにとってのハードルが下がります。大切なのは「短くても毎日」続けること。時間よりも「続くこと」が効果を生む土台になります。

たとえば、小さなチェックリストやスタンプカードを用意して、「できた!」が目に見えるようにするのは非常に効果的です。ノートの端にカレンダーを書いて、勉強した日は好きなシールを貼るだけでも、子どもはやる気になります。

「遊び」や「ゲーム性」を取り入れるのもポイントです。計算練習ならタイムトライアル形式にしたり、漢字をカードにして神経衰弱のように遊んだり。単語を折り紙やお絵描きで表現するなど、勉強に“体験”を重ねることで、記憶の定着もよくなります。

毎日すべてがうまくいくわけではありません。気分が乗らない日もあるし、予定が合わない日もあります。でも、そこで「今日は無理でも、また明日からやろうね」と柔軟に構えることが、長く続けるためのコツです。

私のレッスンでは全員に宿題を必ずだしています。しかし、最初から全員プリントや問題の予習と決まっているわけではなく、その子に合ったレベルと量+ご家庭の意向をもとに決めています。

国語でたとえると、漢字プリント5文字分の子もいれば、教科書の音読と見開き3ページ分のワークの予習の子がいたりします。そして、必ず本人に「今の宿題の量はがんばれる?」と聞いています。

これは「できるかできないか」や「やりたい?」と聞いてしまうとその子自身で限界を決めてしまうことになるので、「がんばれる?」と聞くことでその子の勉強に向かう姿勢を後押しする言い方にするよう心がけています。

いかがでしたか?

家庭学習は、がんばらせるものではなく、「一緒に楽しむもの」。親が笑顔で見守る姿勢が、子どもにとって一番のモチベーションになります。ぜひ、小さな工夫を積み重ねながら、家庭学習を“楽しい習慣”に変えていきましょう。

(沢村)