好きな本を好きなだけ手に取ろう ― 「読解力」を育む多読と深読

英語(英検対策)・国語・社会・理科を教えている左雲(さくも)です。小学生低学年から高校生まで、年代を問わず幅広く担当しています。

わたしのブログでは、日々の授業での経験をもとに、勉強の取り組み方や成功事例、時には生徒と話し合った時事問題などについて綴っています。

日々多くの小中学生と接する中で、保護者の方から最も多くいただく相談が「うちの子、本を全く読まなくて……」という悩みです。

「読解力をつけてほしい」と願うあまり、つい大人は「ためになる本」を勧めてしまいがちですが、学習効果を最大化する鍵は、その対極にある「好きな本を、好きなだけ読む」という自由さにあります。

今回は、オンライン塾での指導の中で見えてきた、知性を育む読書術についてお伝えします。

「多読」が文字への心理的ハードルを下げる

まず大切なのは、ジャンルを問わず多くの活字に触れる「多読」です。ここでいう多読には、漫画や雑誌、趣味の図鑑、あるいはライトノベルなども含まれます。

読書を「勉強」と捉えてしまう子は、文字の羅列を見ただけで構えてしまいます。

しかし、自分の興味がある分野であれば、多少難しい語彙が出てきても、絵の助けを借りたり文脈を推測したりしながら、驚くほどのスピードで読み進めることができます。

この「読み切った」という成功体験の積み重ねが、教科書や試験問題のような「知らない文章」に対する心理的なハードルを劇的に下げてくれるのです。

「深読」が学習言語への架け橋になる

多読と並行して、一つのテーマを掘り下げる「深読」も重要です。オンライン塾の授業において、記述力や思考力が高い生徒には、共通して「特定の得意ジャンル」があります。

歴史や小説が好きな子は、物語を通じて「因果関係」や「社会構造」を学びます。科学が好きな子は、専門的な用語を通じて「抽象的な概念」を理解します。

彼らは「好きなことについてもっと知りたい」という強い欲求を通じて、学習言語としての母語を無意識のうちに吸収しているのです。それにより難しい概念を含む単語も容易に理解していきます。

広く浅く読むことで活字に慣れ、好きな分野を深く読むことで思考の深さを養う。この二つのシナジー(相乗効果)こそが、読解力を形作っていきます。

「役に立つか」を一度手放してみる

保護者ができる最大のサポートは、良書を押し付けることではなく、「どんな本でも、読んでいれば素晴らしい」という全肯定の空気を作ることです。

たとえ一冊を最後まで読み切らずに「拾い読み」で終わったとしても、気になるページをめくるだけで立派な読書体験になります。

また、読み終わった後に「何が面白かった?」と対話を投げかけることは、読んだ内容を整理してアウトプットする格好の練習になります。

大人が「役に立つかどうか」という物差しを一度手放すことで、子どもたちの読書はより自発的で豊かなものへと変わっていきます。

まとめ

言葉は、私たちが世界を理解するための地図であり、自分を表現するための武器です。

特に、日本とは異なる文化圏で過ごし、複数の言語の狭間で生活する海外在住の皆様にとって、日本語の本は単なる学習教材以上の意味を持ちます。

それは、遠く離れた日本と自分を繋ぐものであり、自身のルーツを確認する大切な居場所でもあります。

「日本語を維持しなければ」という義務感ではなく、「この本、面白そう!」という純粋な好奇心に従って、お子様が自由に本を手に取れる環境を整えてあげてください。その「好き」の積み重ねが、いつか必ず、困難な課題をも解き明かす強靭な思考力へと変わっていくはずです。

優心オンラインでは、海外在住者専門の個別指導塾として、海外在住経験の豊富な講師陣が、生徒一人ひとりの理解度や興味、学習環境に合わせてきめ細やかなサポートを行なっています。

ただ勉強ができるようになることを目指すのではなく、ひとりひとりのお子さんが楽しんで勉強に取り組み、生きる力を身につけることに重きを置いています。

海外にいながら、日本の学校の学習に合わせて進めることも可能です。

お子さんの学習について何かご不安な点があれば、ぜひ一度当塾にご相談ください。