今年の夏はなぜこんなに暑かったのか、生徒と一緒に調べてみました
英語(英検対策)・国語・社会・理科を教えている左雲(さくも)です。小学生低学年から高校生まで、年代を問わず幅広く担当しています。 わたしのブログでは、日々の授業での経験をもとに、勉強の取り組み方や成功事例、時には生徒と話し合った時事問題などについて綴っています。
レッスンの冒頭、日本への一時帰国から帰ってきた生徒が「今年の日本、暑すぎませんか」と言いました。
わたしは海外在住なので体感ではわからないのですが、友人のインスタの投稿を見ていると暑くて体調不良になった人も何人かいたので、そうなのだろうなと思っていました。
暑い、という話は、よくある雑談ですが、この日は聞き返してみました。
「暑かったよね。じゃあ、なんで暑かったんだと思う?」 返ってきたのは「地球温暖化だから」。
半分正解ですが、説明にはなっていません。温暖化は毎年進んでいるのに、今年の夏がとりわけ暑かった理由にはならないからです。そこで二人で、気象庁の発表を読んでみました。
数字を見ると、体感が事実に変わる
気象庁が今年8月3日に出した報道発表によると、7月中旬と下旬の西日本の平均気温は、統計を開始した1946年以降で最も高い記録となりました。最高気温40℃以上の酷暑日は8月3日時点で延べ34地点にのぼり、2025年の30地点を上回って、比較可能な2010年以降で最も多くなっています。東海では国内で初めて5日連続の酷暑日が観測され、九州でも観測史上初の酷暑日となりました。
「暑かった」という体感が、こうして数字と日付をともなった事実として認識できるようになります。
「温暖化だから」の先にある、理科の説明
発表資料には、この高温をもたらした仕組みも書かれていました。
上空の偏西風が平年より北側を流れ、西日本の上空ではチベット高気圧が強まって、背の高い高気圧に覆われた。そして高気圧の下では下降気流が起こり、上から降りてくる空気が地表に近づくにつれて圧縮されて気温が上がる——資料はこれを「断熱圧縮」と呼んでいます。
ここで生徒が「自転車の空気入れが熱くなるのと同じ?」と言いました。
まさにその通りです。理科の教科書に出てくる用語が、今まさに自分が浴びている暑さの説明になっている。気象庁は温暖化などの寄与にも触れていますが、それは複数ある要因のひとつという位置づけです。「温暖化だから」の一言でまとめると、この面白い部分がまるごと抜け落ちてしまいます。
一次資料は、思っているより読める
公的機関の発表資料は難しそうに見えますが、概要の部分は数百字です。
中学生なら、知らない単語をいくつか調べれば読み通せます。一度読んでしまうと、ニュースの見え方が変わります。「今年は暑い」と報じる番組を見ながら、「どの高気圧の話だろう」と考えられるようになる。
これは理科の知識であると同時に、情報の受け取り方の訓練でもあります。
おわりに
海外で暮らしていると、日本の気候の話題は少し遠く感じるかもしれません。けれど気象庁の資料は誰でも読めますし、お住まいの国の気象機関も同じような発表をしているはずです。
両方を並べれば、それだけで立派な探究学習になります。「なんで?」と聞かれたとき、答えを教える代わりに一緒に一次資料を開いてみる。夏の終わりの雑談は、そんな入り口にちょうどいい題材です。
優心オンラインでは、海外在住者専門の個別指導塾として、指導経験の豊富な講師陣が、生徒一人ひとりの理解度や興味、学習環境に合わせてきめ細やかなサポートを行なっています。
ただ勉強ができるようになることを目指すのではなく、ひとりひとりのお子さんが楽しんで勉強に取り組み、生きる力を身につけることに重きを置いています。 海外にいながら、日本の学校の学習に合わせて進めることも可能です。
お子さんの学習について何かご不安な点があれば、ぜひ一度当塾にご相談ください。
参考文献
気象庁 報道発表資料(令和8年8月3日)「2026年7月中旬~下旬の顕著な高温と今後の見通しについて」 https://www.jma.go.jp/jma/press/2608/03b/japan_hot20260803.html