プロ家庭教師が実践する「教科書を楽しく使う」コツ
英語(英検対策)・国語・社会・理科を教えている左雲(さくも)です。小学生低学年から高校生まで、年代を問わず幅広く担当しています。
わたしのブログでは、日々の授業での経験をもとに、勉強の取り組み方や成功事例、時には生徒と話し合った時事問題などについて綴っています。
海外に身を置きながら日本の教育課程に触れる際、多くのご家庭の前に立ちはだかるのが、領事館や大使館から配布された、日本の教科書をどう活用すればいいかという悩みかもしれません。
子どもの学習に使いたいけど、どう進めたらいいのかというのは、学校教員や補習校教員としての経験がなければ、なかなか難しいものです。気づけば本棚の隅で眠ってしまっている……というケースは少なくありません。
なぜ、海外で日本の教科書を自学自習で進めるのはこれほど難しいのでしょうか。
今回はその背景を紐解きながら、オンライン家庭教師だけでなく、補習校講師としての経験もあるわたしから、ご家庭でも実践できるプロの技をご紹介します。
なぜ教科書は「開かれないページ」になってしまうのか
日本の教科書は、世界的に見ても非常に質が高いことで知られています。写真や図版が多用され、限られたページ数の中に学習指導要領のエッセンスが凝縮されています。優心オンラインでは世界中にいるお子さんと親御さんとお話しする機会も多いのですが、親御さんが決まっていうのは、「日本の教科書ってすごい考えられてる」ということです。
しかし、ここにご家庭で学習を進めようとする際に大きな落とし穴があります。
文部科学省の学習指導要領(2020年度全面実施)において、現在の日本の教育は「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」を重視しています。つまり、教科書は「学校の先生が、子どもたちと対話しながら授業を展開すること」を前提に作られているのです。
日本の教科書の記述が簡潔で余白が多いのは、授業内での「問いかけ」や「気づき」を促すためです。
そのため、解説が手厚い市販の参考書とは異なり、子どもが一人で読んでも「何をどう考えればいいのか」が掴みにくく、結果として退屈な作業になってしまいがちなのです。
まして、それを保護者の方がどう問いかけてどう進めるのか、というのは至難の技でしょう。新米教員でも「赤本」(先生むけの解説本)がなければ進めるのは難しいのです。
プロが実践する「教科書を楽しく使う」アプローチ
余白の多い教科書を活き活きとした教材に変えるために、オンラインでの学習指導の現場で実践しているアプローチは、「教え込まない問いかけ(発問)」です。
一方的に解説を聞くだけの時間は、子どもの思考を停止させてしまいます。教科書の図や写真をフックにして、子ども自身に発見させる楽しさを演出することが重要です。
各教科について簡単に書いてみます。
1. 理科・社会:ビジュアルからストーリーを妄想する
理科の実験写真や、社会の歴史資料・地理のグラフは、宝探しの地図のようなものです。
例えば、歴史の絵巻物を見ながら「この中で一番偉そうな人はどこにいる?どうしてそう思った?」と問いかけたり、理科の植物の写真を見て「日本の公園と、いま私たちが住んでいる場所の公園、何が違うかな?」と比べることで、教科書の中の世界が自分の現実世界とリンクし始めます。
2. 国語・算数(数学):「なぜ?」をあえて言葉にさせる
算数の教科書にある登場人物のセリフ(「あれ? ほかにも方法があるかな?」など)を見逃さないでください。あえて「このキャラクター、なんで困ってると思う?」と聞いてみます。公式を暗記するのではなく、問題の背景にある「謎」にスポットを当てることで、子どもの知的好奇心に火がつきます。
家庭での限界を感じたら、プロの視点を取り入れる選択も
このように、教科書を対話のツールとして活用すれば、子どもは自ら知識を発見する喜びに目覚めていきます。
ただ、日常の家事や仕事、現地での生活に追われる中で、保護者様が常にこの「質の高い問いかけ」を準備し、根気強く付き合うのは決して容易ではありません。
ときには親子だからこそ、感情がぶつかってしまうこともあるでしょう。
そんなときは、画面越しに子どもの表情の機微を捉え、絶妙なタイミングで問いを投げかける「オンライン家庭教師」のようなプロの力を頼るのも一つの選択肢です。
第三者である教育者が介在することで学習を進められるようになった、とおっしゃる保護者の方も多くいらっしゃいます。私自身まだ自分の子どもはいませんが、周りの先生方の話を聞くと、先生であっても一筋縄ではいかないようです。
様々な環境で学ぶみなさんへ
世界中どこにいても、自ら問いを立て、探求する楽しさを知った子どもたちの瞳は等しく輝いています。
とりわけ、日本とは異なる言語や文化が飛び交う環境の中で、現地の生活と日本の学習を両立させようと日々奮闘している子どもたち、そしてそれをご家庭で支えられている保護者様の努力は、本当にすごいなあと話を聞くたびに思います。
日本の教科書を使用して、ぜひ親子で、もし大変だと感じてしまった際には、オンライン家庭教師など、信頼できるパートナーと共に、学習を一歩ずつ楽しんで進めていってください。
優心オンラインでは、海外在住者専門の個別指導塾として、指導経験の豊富な講師陣が、生徒一人ひとりの理解度や興味、学習環境に合わせてきめ細やかなサポートを行なっています。
ただ勉強ができるようになることを目指すのではなく、ひとりひとりのお子さんが楽しんで勉強に取り組み、生きる力を身につけることに重きを置いています。
海外にいながら、日本の学校の学習に合わせて進めることも可能です。
お子さんの学習について何かご不安な点があれば、ぜひ一度当塾にご相談ください。