【雑談】学校に行くのはなんのため?

今回紹介する雑談は、日本人学校に通っている子の悩みでした。
いつものように新しい単元に入る前にぽろっとその子は言いました。

「学校って、みんなに合わせるからつまらないんだよね。行く意味あるのかな?」

前職で小学校の教員をやっていたこともあり、ドキッとするような言葉でしたが、そこにはとてもまっすぐな気持ちが込められているように感じました。

「合わないペース」で感じるモヤモヤ

学校では、集団で同じカリキュラムをこなしていきます。
「全員がある程度わかるように進める」ことを前提としているため、誰かひとりの理解度やペースに合わせるのは難しいのが現実です。

・わかっているのに何度も同じ説明を聞かなければいけない
・じっくり考えたいのに、どんどん先に進んでしまう

そんな状況が続くと、「なんでこんなことやってるんだろう?」という気持ちになるのも無理はありません。

じゃあ、学校って何のためにあるんだろう?

この問いは、大人でも答えに迷うかもしれません。

私はこう考えています。

「学校は、“みんなと過ごす”ことを学ぶ場所」

集団の中で、人と違う意見を持つこと、人と一緒に何かをすること、時間を守ること、時には我慢すること。
それらを学ぶ場としての役割が、学校にはあります。

でも、「じゃあ、勉強は全部そこでやるもの?」と聞かれたら、答えはNOです。

勉強は本来、一人ひとり違う歩幅で進めるもの。
だからこそ、学校の外で“自分に合った学び”を見つけることも、とても大切なのです。

雑談は、気づきの宝箱

今回のような“ちょっとしたひと言”には、子どもたちの気持ちや考えがたくさん詰まっています。

その言葉をただ聞き流すのではなく、「なんでそう思ったのかな?」「他にどんな風にできたら楽しいかな?」と一緒に考えることで、新しい学びの形が見えてくることがあります。

先生と話す時間が「安心できる場所」になれば、子どもたちはどんどん本音を話してくれます。

自分のペースで学べるって、気持ちいい

「つまらない」という言葉は、「もっとこうしたい」の裏返し。
それに耳を傾けることで、子どもたちは自分に合った学び方を見つけていきます。

実際、学校のあり方は人それぞれだと思っているので正解はないと思います。でも、こんな風に相談してくれることは正直うれしいです。

学校の授業とは違う、【自分のための時間】を通して、少しずつ「学ぶって楽しいかも」と思えるようになった子どもたちを、私はこれからもそっと見守っていきたいと思います。

(沢村)