【雑談】ことばの力は、遊びの中にある

先日、知り合いのお子さん(小学1年生)と遊ぶ機会がありました。
ローカルスクールに通っているお子さんで、日本語よりも英語に触れる時間の方が圧倒的に多いそうです。

わたしにとってはその日が“はじめまして”。
最初はやっぱり緊張していたのか、目も合わず、口数も少なくて。
「そっか、人見知りさんかな?」と思いつつ、距離の取り方を探っていました。

お絵描きと粘土から始まる小さな会話

その子は最初、静かにお絵描きと粘土で遊んでいました。
その様子をちょっと遠くから見ていたのですが、ふと思いついて声をかけてみました。

「それ、なに作ってるの?」
「…アイス。」
「おいしそう!何味のアイス?」

すると、ちょっとだけ視線をくれて、「チョコレート」と小さな声で教えてくれました。
あ、今心の扉が少しだけ開いたかも!という感覚。

そのあともいろいろ作っていたので、「似顔絵描いて!」とお願いしてみたら、少し照れながら描いてくれました。
そしてなんと、その子から「おたがいの顔、描こうよ!」と提案してくれたんです。

日本語を話し始めたことに驚き

知り合いの方もその様子を見て、「あれ?日本語でけっこうしゃべってる…!」と驚いていました。しかも、似顔絵の紙にさりげなくわたしの名前をひらがなでなぞるように伝えると、書き順をよく見てきれいになぞり書きすることができました。

というのも、普段は英語で生活していて、日本語の会話をすること自体がかなり珍しいとのこと。ひらがなもまさかのこの時に初めて書いたそうです。

もちろん、わたしも「え、こんなに自然に話してくれるなんて…!」とうれしい驚きがありました。

完璧な日本語ではないけれど、「伝えよう」「話したい」という気持ちがこちらにも伝わってきて、
遊びながらことばがどんどん出てくる様子は、本当に印象的でした。

遊びの中でつながる力

その後も、野球ごっこをしたり、ちょっかいを出し合ったり。
気づけばすっかり仲良くなっていて、最後は「またね〜!」と笑顔で手を振ってくれました。

やっぱり子どもってすごいですね。
どんなに緊張していても、遊びという共通言語があれば、ちゃんとつながることができる。

そして、ことばは“勉強として学ぶもの”である前に、“気持ちを伝えたいときに自然と出てくるもの”なんだなぁと改めて感じました。

おわりに

今回の出来事は、家庭教師としての立場ではなく、
“ひとりの大人”として子どもと向き合った時間でした。

「話したい」「伝えたい」という気持ちがあれば、日本語も英語も関係なく、
ことばって自然と伸びていくものなのかもしれません。

また、こういう関わりの中で、学びにつながるきっかけが生まれていくんだと思います。

これからも、子どもたち一人ひとりのペースに寄り添いながら、そんな“ことばの芽”を大切に育てていけたらなと思っています🌱

(沢村)