【小4国語】初めての詩づくりにチャレンジ!【レッスン日記】
今日は、ある日の国語のレッスンの様子をご紹介します。
今回の主役は、海外在住で、該当学年では小学6年生のRさん。
現在は、少しさかのぼって4年生の国語に取り組んでいます。
4年生の国語には「詩集をつくろう」という単元があります。
これは、お手本の詩を読み、言葉の選び方や表現の工夫に注目したあと、自分でも詩を作ってみるという内容です。
Rさんに「詩を作ったことある?」と聞くと、「一度もない」とのこと。
これは良いチャンスだと思い、今回は一緒に詩づくりに挑戦することにしました。
詩づくりの進め方
詩を作るといっても、実は日本の学校に通う子どもたちにとっても難しい活動です。
今回はRさんの様子に合わせて、以下のステップで進めました。
① お題を決める
② どの場面かを考える
③ 一緒に文を作る
① お題を決める(宿題)
お題は宿題で考えてきてもらいました。
ただ「なんでもいいよ」と言ってしまうと、かえって難しく感じてしまうものです。
そこで、「食べ物やスポーツなど、好きなものを考えてごらん」とアドバイスをしました。
少し具体的なヒントを伝えることで、イメージしやすくなります。
② 場面を決める
Rさんは「サッカー」をお題に選んでくれました。
そこで、「練習中?試合中?どんなときかな?」と質問すると、
「ゴールを決めるとき!」と、はっきりした場面が浮かびました。
このように、情景を具体的に思い浮かべることが、詩の言葉を選ぶ第一歩になります。
③ 一緒に文を作る
さあ、いよいよ詩を作るぞ!…というところで、Rさんの様子が少し元気がないことに気づきました。
「どうしたの?」と聞くと、「自信がないから…」とのこと。
たしかに、初めてのことに不安を感じるのは当然です。
「大丈夫。一緒に考えよう」と声をかけ、安心できる雰囲気をつくるよう心がけました。
ここで大切にしたのは、「先生がしゃべりすぎないこと」。
子どもが出した言葉を大事にしながら、復唱や身振り手振りを使って、想像したことを一緒に言語化していきました。
たとえば、
「サッカーのゴールを決めるとき、ドキドキする」
というRさんの言葉を、
「ゴールする前はドキドキするんだね」と整理して伝えることで、
「そうそうそう!じゃあ“しんぞうがドキドキ”ってする!そしたら“あいてがつかれる”からこれも入れる!」と、自分の言葉がどんどん出てくるようになりました。
オンラインだからこそ、表情や体の動きも交えて、伝え合うことの大切さを改めて感じました。
経験が自信に変わる瞬間
詩が完成したあと、Rさんに音読してもらい、読み終えたときには思わず拍手!
とても素敵な詩になっていました。
詩の学習は、型が決まっていないからこそ子どもの個性が表れやすい単元です。
正解のある問題では得られない、「言葉で表す力」や「自分の気持ちを伝える力」が育ちます。
そしてそれは、大人になってからも役立つ、大切な力だと思っています。
「どうだった?」と聞くと、Rさんはにっこりして、
「初めて詩を作った。嬉しい」と答えてくれました。
この小さな「できた!」が、少しずつ自信に変わっていくことを願っています。
(沢村)