【夏休みお悩み相談】宿題にAIを使うのは「ずるい」のでしょうか
英語(英検対策)・国語・社会・理科を教えている左雲(さくも)です。小学生低学年から高校生まで、年代を問わず幅広く担当しています。
わたしのブログでは、日々の授業での経験をもとに、勉強の取り組み方や成功事例、時には生徒と話し合った時事問題などについて綴っています。
先日、中学生の生徒からこんな質問を受けました。「先生、宿題でAIを使うのって、ずるいですか?」
とても良い問いだと思いました。彼はすでに答えを知りたいのではなく、自分の中で線を引きたがっていたのです。授業ではその場で一緒に考えることにしました。
国も「禁止」とは言っていません
意外に思われるかもしれませんが、文部科学省は生成AIの利用について、一律に禁止する方針を取っていません。2024年末に改訂されたガイドラインでは、AIの利便性とリスクの両方を踏まえ、場面ごとに適切な使い方を考えるという立場が示されています。
つまり、問題は「使ってよいか」ではないのです。「どこで使うか」なのです。
考えた後に使うようにする
わたしが生徒に伝えているのは、とてもシンプルな基準です。
自分が考える前に使うと、力は育ちません。考えた後に使うと、力になります。
たとえば数学の問題。手をつける前にAIに解かせれば、答えは手に入りますが、そこで得たものは何もありません。勉強のために無駄にAIのために電気を使ってしまっているだけです。
一方、自分で解いてから「この解き方で合っていますか、もっと簡単なやり方はありますか」と尋ねれば、AIは優秀な採点者であり、別解を教えてくれる先輩にもなります。
作文も同じです。書く前にAIに書かせれば、それは自分の文章ではなくなります。けれども自分で書き上げたあと、「この段落は分かりにくいですか」と聞いてみる。これは推敲(すいこう)であって、代筆ではありません。
AIは間違えるという前提を持つ
もう一つ、必ず伝えていることがあります。AIは、堂々と間違えることがあるということです。
歴史の年号や、日本語の細かい言い回しで、事実と違う説明が返ってくる場面を、わたし自身も何度も見てきました。
生徒には「AIの答えは、賢い友達の意見くらいに思っておこう」と話しています。参考にはするけれど、全てが正しいと思わない。この距離感を子どものうちに身につけておくことは、これから先、教科の知識よりも役に立つかもしれません。
そして皮肉なようですが、AIの間違いに気づけるのは、自分に知識がある人だけです。 便利な道具が増えるほど、土台となる学力の価値はむしろ上がっていきます。
冒頭の生徒には、こう答えました。「ずるいかどうかは、使い方じゃなくて順番で決まると思うよ」と。彼は少し考えて、納得したようでした。
海外にお住まいのご家庭では、日本語の教材や、質問できる相手が身近にいないという状況もあるかと思います。分からないことを気軽に聞ける相手として、AIはたしかに心強い存在です。
だからこそ、AIを使う順番だけは大切にしてください。
まず自分で考える。それからAIに聞く。
この順番を守れる人は、道具に使われるのではなく、道具を使いこなす側に立てます。 環境の制約を、工夫で越えていく力そのものが、これからの時代の学力なのだと思います。
優心オンラインでは、海外在住者専門の個別指導塾として、指導経験の豊富な講師陣が、生徒一人ひとりの理解度や興味、学習環境に合わせてきめ細やかなサポートを行なっています。
ただ勉強ができるようになることを目指すのではなく、ひとりひとりのお子さんが楽しんで勉強に取り組み、生きる力を身につけることに重きを置いています。
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