【夏休みお悩み相談】「覚えた」と「思い出せる」は別のこと

 英語(英検対策)・国語・社会・理科を教えている左雲(さくも)です。小学生低学年から高校生まで、年代を問わず幅広く担当しています。

わたしのブログでは、日々の授業での経験をもとに、勉強の取り組み方や成功事例、時には生徒と話し合った時事問題などについて綴っています。

テストの前日、生徒に「準備はできた?」と聞くと、こんな答えが返ってくることがあります。

「教科書は三回読みました。だいたい覚えました」

そして翌日、思ったほど点が取れない。本人が一番驚いています。サボっていたわけではないのですから、当然です。ここには、学習における大きな落とし穴があります。「覚えた」という感覚と、「思い出せる」という実力は、別のものだということです。

読み返すほど、できる気がしてくる

教科書やノートを何度も読むと、文字の並びに見覚えができてきます。すらすら読める。つまずかない。この滑らかさを、脳は「理解できている」と勘違いします。

けれども試験で求められるのは、何も見ずにゼロから答えを引き出す作業です。読んで分かることと、白紙から取り出せることの間には、想像以上の距離があります。

心理学の分野では、この差はよく知られています。繰り返し読むよりも、いったん閉じて思い出そうとするほうが、記憶は長く残る。 これは「想起練習」と呼ばれ、多くの研究で確かめられている現象です。

やり方は、驚くほど簡単です。

教科書やノートを一通り読む

閉じる

何も見ずに、白い紙に思い出せることを書き出す

開いて、答え合わせをする

かかる時間は三分ほどです。大切なのは3の段階で、「思い出せない」という苦しさを味わうこと。この引っかかりこそが、記憶を強くします。

書き出せなかったところが、そのまま自分の弱点です。探さなくても、向こうから見つかってくれます。 全部を読み直すより、はるかに効率的です。

自分で説明してみる

紙に書くのが面倒であれば、口で言うだけでも構いません。保護者の方が「今日は何を習ったの?」と聞くのも、実は立派な想起練習です。

うまく説明できないときに、「ちゃんと聞いてないんじゃないの」と返さないというのが最も大事なポイントです。

説明できないのは普通のことです。「じゃあ教科書見て、もう一回教えて」と促すだけで、その子は学び直しています。

わたしが授業の最後に必ず「今日やったこと、10秒でまとめて」と聞くのも、同じ理由からです。

まとめられなかった日は、そこがまだ自分のものになっていない証拠だと、生徒自身が分かるようになります。

海外にお住まいのご家庭では、特に国語などの教科では、塾だけで勉強しているために実力を測る機会が少なく、「本当に身についているのか」が見えにくいというお声をよくいただきます。

この方法は、その不安に対する答えにもなります。

わたしの授業ではテストを実施することもありますが、今回述べたように毎回の授業の最後に振り返る時間を取ることで、生徒は思い出そうとした瞬間に、身についているかどうかが自分でわかります。

誰かに測ってもらわなくても、白い紙一枚あれば、自分で問いかける習慣をつければ理解度を確認することができます。

テストの機会が少ない環境だからこそ、自分で自分を測る習慣は、大きな武器になります。今日の勉強の終わりに、三分だけでも試してもらえたらと思います。

優心オンラインでは、海外在住者専門の個別指導塾として、指導経験の豊富な講師陣が、生徒一人ひとりの理解度や興味、学習環境に合わせてきめ細やかなサポートを行なっています。

ただ勉強ができるようになることを目指すのではなく、ひとりひとりのお子さんが楽しんで勉強に取り組み、生きる力を身につけることに重きを置いています。

海外にいながら、日本の学校の学習に合わせて進めることも可能です。

お子さんの学習について何かご不安な点があれば、ぜひ一度当塾にご相談ください。