【コラム】算数の勉強でも、国語力が大事

英語(英検対策)・国語・社会・理科を教えている左雲(さくも)です。小学生低学年から高校生まで、年代を問わず幅広く担当しています。 わたしのブログでは、日々の授業での経験をもとに、勉強の取り組み方や成功事例、時には生徒と話し合った時事問題などについて綴っています。

全国学力・学習状況調査の報告書には、正答率だけでなく「どの誤答が何%あったか」まで載っています。 今年公表された令和8年度の結果を見ていて、思わず二度見した問題がありました。正しい答えより、ある特定の間違いのほうが多く選ばれていたのです。

「1.5倍」を「1.5目盛り分多い」と読んでしまう

小学6年生の算数に、赤いテープの長さが白いテープの1.5倍になっている図を二つ選ぶ、という問題がありました。正答率は34.5%。一方、特定の誤答の組み合わせを選んだ児童が35.7%いました。正答を上回っています。

報告書はその理由をこう分析しています。

基準量の1.5倍に当たる量を、基準量より1.5目盛り分多い量であると誤って捉えていると考えられる、と。 つまり「倍」の話を「差」で処理してしまっているわけです。

これは計算力の問題ではありません。かけ算の答えは出せる子が、図になったとたんに「多いほう」を選んでしまう。数と量が頭の中でつながっていないのです。これには、問題の文章を理解できているか、という国語で求められる読解力も大きく関わってきます。

立方体の体積で、正方形の公式を使ってしまう

同じ調査に、1辺が8cmの立方体の体積を求める式を書く問題もありました。正答率は72.9%。誤答のうち「8×8」と書いた児童が10.2%、「8×6」「8×3」と書いた児童が5.5%です。

報告書の分析は、立方体のすべての辺が等しいことは理解しているが、誤って正方形の面積の公式を用いている、というものでした。 8×6は、面が6つあるから。8×3は、辺が3方向あるから。どちらも、その子なりの理屈があります。公式を覚えていないのではなく、いま目の前にあるのが面積を求める場面なのか体積を求める場面なのかが、判断できていないのです。

答えの前に、二つだけ聞く

家庭で丸つけをするとき、答えが合っているかを見る前に二つ質問してみてください。

「これは何を求める問題?」と「答えの単位は何になる?」

単位が cm² なら面積、cm³ なら体積です。単位を先に決めると、使う公式はほぼ自動的に決まります。

割合の問題でも、「倍」を聞かれているのか「差」を聞かれているのかを口に出させるだけで、選ぶ図が変わることがあります。

遠回りに見えますが、この二問は式を書く前に一度立ち止まる習慣をつくります。

数字を見て計算してしまうお子さんは多いですが、算数の問題では何が求められているかということを認識することが特に抽象度が学年が上がるにつれてますます重要となります。

おわりに

海外にいると、現地校のカリキュラムと日本の教科書で、単元の順番も用語も違うことがよくあります。

ただ、こうしたつまずき方そのものは言語や国を選びません。

どの国の教材で学んでいても、「いま何を求めているのか」を言葉にできる子は、単元をまたいでも迷いません。家庭学習での丸つけの数分を、ぜひその練習に使ってみてください。

優心オンラインでは、海外在住者専門の個別指導塾として、指導経験の豊富な講師陣が、生徒一人ひとりの理解度や興味、学習環境に合わせてきめ細やかなサポートを行なっています。

ただ勉強ができるようになることを目指すのではなく、ひとりひとりのお子さんが楽しんで勉強に取り組み、生きる力を身につけることに重きを置いています。

海外にいながら、日本の学校の学習に合わせて進めることも可能です。 お子さんの学習について何かご不安な点があれば、ぜひ一度当塾にご相談ください。

参考文献

文部科学省・国立教育政策研究所「令和8年度 全国学力・学習状況調査の結果(概要)のポイント」(令和8年8月公表) https://www.nier.go.jp/26chousakekkahoukoku/report/data/26summary_point.pdf

国立教育政策研究所「令和8年度 全国学力・学習状況調査 報告書・調査結果資料」 https://www.nier.go.jp/26chousakekkahoukoku/