【コラム】“わかる”と“できる”のちがい

今回は、レッスンをしていて改めて感じる「わかる」と「できる」のちがいについてお話ししたいと思います。

こんなことはありませんか?
授業中はしっかり理解していて、質問にもスラスラ答えられる。ところが、いざ宿題やテストになると「できない」「忘れた」となる…。
実はこの「わかっているのにできない」は、多くの子どもたちが通る“成長途中のサイン”なんです。

「わかる」は“理解の入口

「わかる」というのは、先生の説明を聞いて「なるほど!」と理解した状態です。
でもそれは、まだ頭の中に知識が一時的に入っただけの段階。算数や国語のように積み重ねが必要な教科では、「理解した」と「使える」の間に大きな距離があります。

たとえば算数の文章題。説明を聞けば「わかった」と思っても、次の日に同じような問題を解くとつまずくことがあります。これは、まだ知識が定着していない証拠。つまり「わかる」はゴールではなく、学びのスタートラインなんです。

「できる」は“自分の力で使える状態”

一方の「できる」とは、誰かの説明がなくても自分の力で再現できること。
漢字でいえば、見本を見なくても正しく書けること。読解でいえば、文章のどこに根拠があるかを自分で探し、答えを導けることです。
この段階になるには、繰り返しの練習と「自分の頭で考える時間」が欠かせません。

レッスンでは、「聞いてわかる」から「やってできる」に変わるまで、少しずつサポートを減らしていくようにしています。
最初は一緒に考え、次にヒントを減らし、最後は完全に自分の力で。
このプロセスを丁寧に積み重ねることで、知識が“自分の道具”として使えるようになります。

家でもできる「わかる→できる」ステップ

家庭学習で意識できるポイントは3つあります。

1️⃣ 声に出して説明する
「どうしてそう思ったの?」と聞き、子どもが言葉で説明できるか確認してみましょう。説明できれば本当に理解している証拠です。

2️⃣ 時間をおいてもう一度やる
1日たってから同じ問題を解くと、記憶の定着度がわかります。忘れていてもOK。思い出す過程こそが“伸びている証拠”です。

3️⃣ ミスを記録する
間違いは成長のサインです。ノートの端に「ミスノート」を作ると、自分の弱点が見えるようになります。

学びは「聞いて終わり」ではなく、「できるようになって初めて身につく」もの。
“わかった気になっている段階”を一歩進んで、“自分の力でできる”喜びを積み重ねていきたいですね!

(沢村)