【コラム】「算数は苦手」という思いこみが悪影響になる
英語(英検対策)・国語・社会・理科を教えている左雲(さくも)です。小学生低学年から高校生まで、年代を問わず幅広く担当しています。 わたしのブログでは、日々の授業での経験をもとに、勉強の取り組み方や成功事例、時には生徒と話し合った時事問題などについて綴っています。
全国学力・学習状況調査には、テストの結果だけでなく、子どもたち自身に答えてもらう質問調査がついています。 今年公表された令和8年度の結果を読んでいて、しばらく目が離せなくなった箇所がありました。
実力の差ではなく、自己評価の差
報告書にはこう書かれています。「授業の内容がよく分かる」と答えた児童生徒ほど、各教科の正答率・スコアが高い、という傾向です。
いま習っている内容が分かっているかという実感は、点数とよく対応している。一方、教科をまるごと「得意」と呼べるかは、必ずしも実力と一致しない。自己評価は、対象が具体的なほど当たり、大きくなるほどずれるようです。
「得意じゃないから」が、先回りしてしまう
ここからは調査の話ではなく、授業でわたしが感じていることです。 同じくらい正解できる二人でも、難しい問題を出したときの反応が違うことがあります。
片方は「とりあえずやってみる」と手を動かし、もう片方は「わたし、こういうの得意じゃないので」と先に言う。
前置きの一言があると、うまくいかなかったときに「やっぱり」で終わってしまいます。
挑戦した回数が減れば、その分、失敗を避けるにはどうすればいいかという得られる経験が減ってしまうことになります。それは半年後には本当に大きな差がついていると感じます。
もともとの実力の差ではなく、思い込みから始まる差のほうを、わたしは心配しています。
「得意・苦手」を、範囲のせまい言葉に置き換える
家庭でできることを一つ挙げるなら、教科まるごとを評価する言葉を使わないことです。
「算数が得意だね」も「苦手だね」も、対象が大きすぎます。
代わりに「この単元の式は迷わず立てられたね」「今日は分数の通分だけ引っかかったね」と、範囲をせばめて言う。
せまければせまいほど、次に手が出しやすくなります。
おわりに
海外で暮らしていると、まわりに日本の同学年の子が少なく、自分の位置を測る材料がどうしても限られます。
そのぶん「自分は得意/苦手」という自己評価が、実際の力より先に固まってしまいやすい環境かもしれません。 だからこそ、大きな一言でまとめずに、できたことを小さく数えていく。積み上がった具体的な事実は、なんとなくの自己イメージより強いものです。
優心オンラインでは、海外在住者専門の個別指導塾として、指導経験の豊富な講師陣が、生徒一人ひとりの理解度や興味、学習環境に合わせてきめ細やかなサポートを行なっています。
ただ勉強ができるようになることを目指すのではなく、ひとりひとりのお子さんが楽しんで勉強に取り組み、生きる力を身につけることに重きを置いています。
海外にいながら、日本の学校の学習に合わせて進めることも可能です。 お子さんの学習について何かご不安な点があれば、ぜひ一度当塾にご相談ください。
参考文献
文部科学省・国立教育政策研究所「令和8年度 全国学力・学習状況調査の結果(概要)のポイント」(令和8年8月公表) https://www.nier.go.jp/26chousakekkahoukoku/report/data/26summary_point.pdf
国立教育政策研究所「令和8年度 全国学力・学習状況調査 報告書・調査結果資料」 https://www.nier.go.jp/26chousakekkahoukoku/