【コラム】「分からない」と言える力
レッスンをしていると、「分かりません」と言える子と、言えずに黙ってしまう子がいます。
実はこの差は、学力そのものよりも“安心感”の差なのではないかと感じることがあります。
特に海外で学んでいる子どもたちは、学校では現地語、日本語学習は別の時間、といったように複数の環境を行き来しています。
その中で、「ちゃんとできていないと思われたくない」「遅れていると思われたくない」という気持ちが無意識に働くこともあります。
でも、学びにおいて一番もったいないのは、分からないまま進んでしまうことです。
「分からない」はスタート地点
「分からない」と言える瞬間は、実は成長のスタート地点です。
なぜなら、どこが分からないのかが見えた時点で、そこから一緒に考えることができるからです。
反対に、分からないことを隠してしまうと、理解の穴が少しずつ広がってしまいます。
特に算数や数学のように積み重ねの教科では、小さなつまずきが後の大きな壁につながることもあります。
だからこそ、「分からないって言っていいんだよ」という空気づくりを何よりも大切にしています。
安心できると、学びは深くなる
安心して発言できるようになると、子どもたちの表情は変わります。
「ここがちょっと不安」
「たぶんこうだけど自信がない」
そんな言葉が出てくるようになると、授業は一方通行ではなく対話になります。
対話が生まれると、理解はぐっと深まります。
自分の考えを言葉にすることで、頭の中が整理されるからです。
自信は“正解の数”ではなく“対話の量”から
自信は、正解をたくさん取ることだけで育つわけではありません。
自分の考えを出してみること。
間違えても大丈夫だと実感すること。
そして、分からないことをその場で解決できる経験を重ねること。
その積み重ねが、「次も言ってみよう」という小さな勇気につながります。
これからも、正解を増やすこと以上に、
「分からない」と言える空気を守りながら、
安心して挑戦できる時間をつくっていきたいと思います。
(沢村)