【雑談】なんで先生になったの?
毎週、授業内で子どもと話した何気ない雑談を紹介しています。
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「なんで先生になったの?」と聞かれて
今週の小話は、小学5年生のRさんとの授業中の一コマから。
学校の勉強について話していたとき、何気なく「先生って実は勉強きらいだったんだよね」と伝えると、Rさんはびっくりした様子で言いました。
「えっ、なんで先生やってるの?なんかそれ、面白いね。」
たしかに、勉強ぎらいが先生になるってちょっと不思議かもしれません。
でも、理由がちゃんとあるんです。
とにかく勉強が嫌いだった学生時代
これは以前の投稿でも少し触れましたが、私は小・中・高と、勉強があまり好きではありませんでした。
どれくらい苦手だったかというと……
・授業中はほぼ寝ている
・長期休みの宿題はいつもギリギリ
・国語と英語は毎回平均点以下
今思い返すと、ツッコミどころ満載です(笑)
そんな私がなぜ先生になったのか?大きなきっかけは2つあります。
きっかけ① 小学校時代の“教える体験”
小学生の頃、算数の授業で「ミニ先生」制度というものがありました。
早く解き終わった子が、まだ悩んでいる子に教えるというものです。
中学受験の勉強をしていた私は、クラスの中でも比較的早く問題を解き終わっていたので、よく“ミニ先生”として友達に教えていました。
最初は「自分はできるんだぞ!」と自慢したい気持ちでしたが、実際にやってみると「教えるってすごく難しい…!」と感じました。
ただ答えを言うだけでは意味がない。相手が理解して、自分の力で解けるようになるように伝える――その難しさとやりがいに気づいたのです。
この経験が、「教えることって面白い!」と思った最初のきっかけでした。
きっかけ② 浪人時代に知った「わかる」の楽しさ
高校でも相変わらず勉強には身が入らず、大学受験に失敗。
浪人生活が始まりました。
それまで「なんで勉強しないといけないの?」と思っていた私が、予備校の授業を受けていくうちにふと感じたのです。
「解き方がわかってくると……あれ、勉強って楽しいかも?」
先生たちの説明の工夫、面白い例え話、テンポのよい授業。
「わからないことがわからない」状態から、「なるほど!」に変わった瞬間が、勉強の見え方を変えてくれました。
思えば、中高時代も、唯一好きだった教科は世界史。
知識豊富で話がうまい先生が担当だったんです。
つまり、「わかる」ことが「楽しい」につながる――それが勉強の本質かもしれません。
好きが仕事になることもある
こうして、子どもに教える楽しさと、「わかる」ことの面白さに気づいた私は、先生という仕事を選びました。
今、海外で先生をしている自分を、昔の私が見たら驚くと思います。
でも、人生ってそんなものかもしれません。
「好き」と「面白い」がつながって、今の自分がある――
そんなふうに思えるようになったのは、あの頃勉強が苦手だったからこそかもしれません
(沢村)