「何算か分からない」文章題を「4コマ漫画」にして考える
英語(英検対策)・国語・社会・理科を教えている左雲(さくも)です。小学生低学年から高校生まで、年代を問わず幅広く担当しています。
わたしのブログでは、日々の授業での経験をもとに、勉強の取り組み方や成功事例、時には生徒と話し合った時事問題などについて綴っています。
文字は読めても「式」が立てられない子どもの壁
算数の文章題を見た瞬間に、「これって足し算?引き算?」と聞いてきたり、問題に出てくる数字を適当に組み合わせたりして、まるで勘のように式を作ってしまうお子さんは少なくありません。
問題文の音読はすらすらとできるのに、いざ式を立てようとすると手が止まってしまう。この現象に頭を悩ませている保護者の方は非常に多いものです。
実はここには、文章を文字として追うことはできても、その言葉が表している状況を「映像」として頭の中に思い描けていないという、子どもたちの認知の壁が隠されています。
言葉と数式の間にある溝を埋めるためには、どのようなアプローチが必要なのでしょうか。ご家庭で学習を進める際に、日常のちょっとした会話を工夫するだけで、子どもたちが自ら進んで問題の構造を理解できるようになる対話の技術があります。
文字を映像に変える方法
オンライン塾の画面越しに多くのお子さんの解き方を見ていると、文章題が苦手な子の多くは、問題文の中にある「合わせて」「残りは」といった特定のキーワードだけに頼って、機械的に四則演算を選ぼうとする傾向があります。しかし、これでは問題のひねりや複雑な条件に対応できなくなってしまいます。
そこで私が実際のレッスンで実践しているのが、問題文を「4コマ漫画」に見立てて、お子さんと一緒にストーリーを紡ぐアプローチです。
いきなり「式を書きなさい」と促すのをやめ、まずは「このお話を短い漫画にしてみよう。第1コマ目には誰が何を持っているかな?」と問いかけます。
例えば「最初はタロウくんがリンゴを5個持っているね(第1コマ)」「次にハナコさんが来て、3個くれたんだよね(第2コマ)」「じゃあ、最後の3コマ目はどんな絵になると思う?」と、劇の監督のようにお子さんと対話を進めていきます。
子どもが「タロウくんのリンゴが増えて、ニコニコしている絵!」と答えたら、すかさず「増えたということは、何算の出番かな?」と繋げます。
このように、文字情報を一度イメージできるように「映像」に変換し、それを再び「数式」という抽象的な言語へと落とし込んでいくプロセスを挟むことで、子どもたちは言葉の意味を感覚的に理解し、納得して正しい式を立てられるようになります。
状況をモデル化する「読解力」の本質
このような対話の手法は、近年の算数教育や認知心理学における「状況モデル(Situation Model)」の構築という概念に基づいています。
文章題を解く際、単に表面的な文脈をなぞるだけでなく、問題文が記述している事態の本質的な構造を頭の中にモデル化して捉えることが、正しい問題解決には不可欠であるとされています。
子どもに「漫画のコマ」を想像させる対話は、まさにこの状況モデルの構築を自然な形でサポートする試みです。思考のプロセスを可視化することで、子どもは文章全体の構造を把握する力を養い、ひいては国語の読解力や論理的思考力の基盤をも同時に育むことができるのです。
まとめ
言葉を具体的なイメージに翻訳し、それを論理的に組み立てる力は、算数という教科の枠を超えて、あらゆる学びの土台となります。
特に、海外という日本とは異なる日常の言語環境や文化的背景の中で、オンラインを通じて日本の教科書と向き合い、国語や算数、理数科目などの学習に懸命に取り組んでいる小中学生の皆さんにとって、この「言葉をイメージ化する力」はより一層重要な意味を持ちます。
ぜひ、今回ご紹介した方法を試してみてください。
優心オンラインでは、海外在住者専門の個別指導塾として、指導経験の豊富な講師陣が、生徒一人ひとりの理解度や興味、学習環境に合わせてきめ細やかなサポートを行なっています。
ただ勉強ができるようになることを目指すのではなく、ひとりひとりのお子さんが楽しんで勉強に取り組み、生きる力を身につけることに重きを置いています。
海外にいながら、日本の学校の学習に合わせて進めることも可能です。
お子さんの学習について何かご不安な点があれば、ぜひ一度当塾にご相談ください。